女性コンサルタントのブログ

「女性目線」のよくある勘違い

 

最近、出張などで全国に行かせていただくことが多くなりました。

CAだった頃に比べて、飛行機ではなく、電車で道中ゆっくり行くのも楽しみのひとつです。

駅弁やお土産物、そして何と言ってもその土地で触れ合う方々との会話といったら本当に楽しみなものです。

本日は、宿泊業での「女性目線」と言うことで少しだけお話しさせていただこうと思っております。

かつてCA時代には国内外を含めたくさんのホテルに宿泊しておりました。それはそれは、一流という名のホテルから、庶民的なホテルまで。

この経験は、今でも私の糧になっています。

 

それこそ、禁煙の意識も低かった時代です。

大抵の部屋は前に泊まった人のタバコの臭いがきつくて、

気分が悪くなることもたびたびありました。

 

最近では、禁煙ルームがきちんとあり

前の人の残り香で不快な思いをすることもほとんどなくなりましたね。

ホテル予約サイトでは喫煙ルームがいつも最後まで売れ残っています。

 

そして今では、ビジネスで出張する女性も増え、

レディースルームを設置するビジネスホテルも増えてきました。

 

つい先日、岡山出張の際に宿泊したホテルも…

 

当日、チェックインすると

 

「関様、レディースルームをご用意させていただきました!」

 

フロントレセプションの方の対応も良く、期待に胸を膨らませて、部屋に入りました。

扉をあけていきなり目に入ったのは、

高級空気清浄器&美容家電ナノイースチーマー&フットマッサージャーなどなどが狭い部屋に、ドンっとインパクトたっぷりに鎮座している姿。

 

ちょうど講演で立ちっぱなしで足が疲れていましたので、うれしい!全部使わせていただきます!とちょっぴりテンションが上がりながら、

大好きなコーヒーを飲もうとした瞬間、私の手が止まりました。

サーバートレイの中の茶器に口紅がついたカップが置いてあったのです。

・・・・。

かなーり、テンションが下がりつつ

シャワーを浴びようとバスルームに移動しました。

 

そこに置いてあったバスタオルは、

ごわごわして独特の嫌な臭いがし、

ちょっと残念な気分になりました。

 

いろんなホテルが女性客を取り込もうとして

女性視点だとうたって部屋をつくり、集客しています。

 

でもいろいろ泊まってみて

本当の意味で女性視点に立ったホテルは本当に少ないのが現実なのです。

 

あとから家電メーカーや化粧品メーカーが持ってくる機器や備品を置くだけで女性の「心」をつかめると思ったら大間違いなのです。

 

本当に女性を癒してくれるのは

隅々まで清掃のいき届いた部屋。

ふんわりやさしい肌触りのタオル。

着心地よくはだけにくいパジャマ。

リラックスできるほのかな香り。

必要なところに必要なものが置いてある気遣い。

 

そんなホテルの基本ともいうべきものの質だったり

女性特有の気になるところを押さえた気遣いだったりするのです。

 

女性はそんなところにホテルの愛を感じ取る。

 

これは、ホテルだけじゃなく他の商売も同じだと思います。

余分に何かつけたら女は喜ぶなんて安直に考えていたら

かえって女性の「心」は離れていきます。

 

もっともっと、女性の心地いいこと、

不快なこと

感情や感覚

五感に興味を持って向き合って

それに対して自分たちの強みを生かし

どんなアプローチができるのか真摯に考えてみることが必要だと感じました。