女性コンサルタントのブログ

怒るは感情、叱るは愛情。

 

 

先日、ある企業様にコンサルで呼ばれて行ったときのこと。

なにやら、そこの部長が怒り狂っています。

4〜5人の部下を前に、

その剣幕は、聞きたくなくても

遠くの私にも聞こえるほどでした。

その様子を見て、

今でも忘れられない新人時代を思い出しました。

それは、まだ私が入社したてのピチピチ(笑)していた頃。

フライトを終えたブリーフィング(振り返り)で、

みんなのいる前でひどく注意されたのです。

それはもう、コワイのなんのって!

周りの先輩や同僚たちも、

「まだ経験が浅いから、わからないよね」とか

「あんな言い方ヒドすぎるよね」などと

それはもう、同情されるほど、さらしものとなってしまい、

そんな自分に悔しいやら、情けないやら・・・・。

怖いし、悲しいし、ぐちゃぐちゃでトイレに駆け込んで泣いていました。

一通り泣きじゃくって、

お腹もすいたし、帰ろう・・・。

と出てきた瞬間、目の前には、私を叱責したあの上司が・・・。

「ちょっと、あなた。待ちなさい。

私は怒ったんじゃないのよ。叱ったの。

叱るは愛情なの。

怒るは感情。

その違い、わかる?」

・・・・・

・・・・・

・・・・・

「あなたに心の底から伸びてほしい。

そう思ったから叱ったの。

みんなの前で叱ったのは、

他の人に同じ失敗を繰り返して欲しくなかったからなの。」

・・・・・

・・・・・

・・・・・

また、次から次へと一旦止まった涙が

こぼれ落ちて行きました。

こう言われて、

自分の甘さと愚かさを猛省しました。

今でも、

怒ると叱るは似て非なるもの。

それを教わったことは私の一つの財産です。

上の立場にいる人は、

「怒る」と「叱る」

の区別を持っていなければいけないと

思います。

人間ですから、

カッときたり、

苦々しく思うことがあったとき、

その感情のままに注意することもあるでしょう。

でもこれは、

「怒る」なのです。

感情のままに怒れば、

相手もまた感情的になり、

心理的な溝をつくってしまいます。

だからこそ、

「あなたに成長してほしい。そのためにはこうしてほしい」

が伝わるような言葉を付け加えて注意しなければならないのです。

それが、

「叱る」です。

注意された側も、気持ちとしては面白くないし、

落ち込むこともあるでしょう。

でも、もしかしたらそれは、

あなたのためを思って叱ってくれたことかもしれません。

怖い人、厳しい人は自分を育ててくれる。

叱りんぼうの上司や先輩はありがたい存在だと気がついた

23歳の私の出来事でした。

(ちなみにこの上司とは、それからもずーっと仲良くさせていただいています。)

もし、子育て中のママさんが

育児に悩んでいたら、

「怒る」と「叱る」は違う。

ということを自分の胸に入れておくだけでも

子どもを見る目が変わりますよ。

上の立場に立つ方は、

職場でも実践してみると

それだけで信頼度が増します。

怒るは感情。叱るは愛情。

そんなことを思い出した1日でした。