最近、日本人の品格が揺らいできているように感じます。
それは、脈々と受け継がれてきた日本の古き良き礼儀やマナーが忘れつつあり、
人と人とのつながりが希薄なものになってきているからかもしれません。
少し前の時代を生き抜いてきたわたしたちの先輩は、
その場にいる人たちが気持ちよく過ごせるように、
周囲への気配りや思いやりを身につけていました。
たとえば、雨の日にすれ違うときは、
互いに傘を傾けたり、
ひとりでも多く座れるように席をつめたり、
ゆずり合う気持ちや周りとの調和を、しぐさとしてあらわしていました。
日頃、友達同士で広がって歩いたり、
大きな声でおしゃべりをしたりしている人を見かけることはありませんか?
自分達だけ楽しければいい。
ほかの人は関係ない!といった態度は、
周りの人たちにとって気持ちがいいものではありません。
時々立ち止まって、
自分の立ち居振る舞いがどのように見えているかを想像し、
配慮することを心がけたいものです。
毎日の生活は、
まわりの人と自分が
お互いに少しづつ努力することで、
気持ちの良いものに変えて行くことができます。
まずは、
いちにちのはじまりに出会った人へ
「おはよう」
と挨拶する習慣をつけましょう。
お互いに声をかけ合うことで、
相手の様子を気遣うことの大切さ、
相手から気にかけてもらうことの喜びに気づくはずです。
幼い頃に身につけた仕草や姿勢は、
自分の力で将来を切り開いていくための土台となるものです。
この幼い時期に多くの人と触れ合い、
思いやりや助け合いの大切さを学ぶ機会をつくるようにしましょう。
その経験が、
やがて自立する時期が訪れた時に
人との関わりの中で何を優先させていけば良いのか、
見極める力を身につけていくことに役立ちます。
生きていく上で良い礼儀やマナーは大きな財産となります。
毎日を気持ちよく過ごすためのふるまいや言葉遣いを知ることは、
相手を思いやる美しい心をもつことにもつながり、
まわりの人からの信頼を得て、良い人間関係を築くことにもつながります。
これからの厳しい時代を生きるひとりひとりが、
受け継がれてきた日本人の良さを見直し、
相手の気持ちを思いやる心をもつこと。
そしてそれを日々の行動にうつしていくこと。
このことが、誇り高き日本人の品格を伝え続ける道となることを信じています。