女性コンサルタントのブログ

③女性対象のマーケティングでは、セグメンテーョンをしっかり行おう!

女性を対象としたマーケティングをするときのポイントは、セグメンテーションをしっかり行うことです。

「えっ?セグメンテーョン?なにそれ?!」

そう思われた方もいらっしゃるかと思います。

セグメンテーションとはいったい何なのか?

なぜ細かく設定する必要があるのかについて、ここでは説明したいと思います。

女性ターゲットのマーケティングで売上アップを実現するためには?

消費行動の8割は女性によるものと言われています。

つまり、女性がその商品の良さを認めて購入すれば、

モノが売れる可能性が高いということです。

一見、簡単そうに思えますが、

実際に新しい商品やサービスを作り出すには、

「女性」を細かく分析してマーケティング戦略を立てる必要があります。

なぜなら女性は、年齢、職業、家族構成、出産、育児など、

さまざまなライフステージがあり、

求めるものは人により異なります。

また、ライフステージが変化することで、

買いたいものや欲しいものも次々と変わっていきます。

その変化を見極めて、企業は自社の強みを絞り込み、

ターゲットに合致させながら、

競合との差別化を図り新しい商品やサービスを開発します。

また、宣伝や広告も工夫をしながら販売していくのが

女性をターゲットにしたマーケティングのポイントです。

このプロセスを進めていくには、STP分析が用いられています。

S=セグメンテーション

女性をターゲットにすると決めたら、

「どの年齢の」

「どんな女性を(学生、社会人、専業主婦、共働き主婦、子育て中のママ、子どもが自立した後の女性など)」

をターゲットにするかを詳しく分析し、売りたい相手の具体像を明確にしていきます。

STP分析の第一段階、「セグメンテーション」とは、

ターゲットを決めるプロセスの1つで、

「女性」という大きなターゲットを、

年齢や身分、居住地、生活状況、趣味・趣向、行動パターンなどの条件で

細かく分類していく方法です。

セグメンテーションをするときによく使われる指標は次の通りです。

・地理(住居、文化、人口密度、天候傾向、行動範囲など)
・人口(年齢、性別、職業、世帯規模、所得、教育、家族のライフサイクルなど)
・行動(製品に対する知識、態度、使用場面、反応など)
・心理(価値観、趣味、ライフスタイル、購買動機、社会階層など)

以前は、ターゲットを細かく設定しなくても、

大量生産と大量販売、広告を大量に投入すれば、商品は売れていました。

しかし現在では、企業は消費者の考え方や価値観の多様化にあわせて、

それぞれのセグメントに合ったマーケティングを行わなければなりません。

これを怠ると、女性に共感されるものを作り出すことはできません。

良質なセグメンテーションを行えば、戦略も営業もその質が上がります。

製品やサービスの機能も無駄を省いた必要なものだけを提供できるようになり、

広告のコストカットも実現できるようになります。

近年、ITが発達したおかげで、企業にとっても、

顧客の趣味や嗜好などの市場分析が低コストでできるようになりました。

このような背景に後押しされて、人手や時間をかけずに、

精度の高いセグメンテーションができるようになってきました。

T=ターゲティング
セグメンテーションの次は、「どのセグメントを狙うか」を決めます。

これをターゲティングと言います。

ターゲティングをするには、自社の強みや弱み、

競合の分析、その市場に参入可能かどうかも併せて検討し、

最終的なターゲットを決めます。

その後、ターゲットに対してどのような価値を提供するかを明確にしていきます。

P=ポジショニング
ターゲティングが済めば、

その中における自社の強みや独自性を調べて、

自社の立ち位置(ポジショニング)を明確にします。

このプロセスでは、ブログや電子掲示板、

カスタマーレビューなどの誰もが参加できる「ソーシャルメディア」を利用して、

消費者に製品がどのように受け入れられているかを調べると、

自社製品の強みを客観的に判断しやすくなります。

女性マーケティングで重視することは?

一般的に新しい商品やサービスを開発するとき、

企業側は「価格」「デザイン」「品質」「販売の仕方」などの切り口で

商品企画を始めます。

このような視点を「女性マーケティング視点」に変えるには、

「女性の消費者だったらどのように考えるか」という見方で、

それぞれの項目について見直しや検討を重ねていきます。

ここで注意することは、会議で女性から「私はこう思う」という発言があったとき、

必ずしもそれは「女性視点」「女性マーケティングで考えた」

ということにはならないということです。

単純に女性の要望を実現するのではなく、

ここで女性のセグメンテーションを行い、

その1つ1つのカテゴリーの中で、女性がどのようなニーズを持ち、困っているのか、

不満は何か、それらがどのように変化をしていくのか

などを深掘りしてマーケティング戦略を考えていきます。

女性マーケティングは「戦術」で勝負

物を作り、お金をかけて広告をしても、思ったほど売れないのが現在の世の中です。

女性マーケティングで、広告宣伝に予算を大量に投入しなくても、

売れる仕組みを作るには、「戦術」を見直して、

「戦略」を設計していくことがポイントです。

例えば、後発参入で競合他社の製品も多いと、

自社製品との差別化が顧客に伝わりにくいことがあります。

商品やサービスそのものの差別化が困難であれば、

販売方法や接客方法、

訴求方法を見直して、

その中で差別化をすることも可能です。

「戦術」で売り上げを再生した例を紹介しましょう。

▼「シーブリーズ」

発売当初は20~30代の男性をターゲットに、

海に行ってシャワーを浴びた後などに爽快感を得てもらうための

ボディケア製品として売り出しました。

しかし、当時のターゲット層も年齢を重ね、

海に行く人も減り時代遅れとなってしまいました。

そこで、ポジショニングを見直し、ターゲットを10代女性に変更。

海ではなく、学校生活におけるクラブ活動後など、

日常生活で使う製品に訴求ポイントを変えたところ、

低迷していた売り上げが、なんと8倍に伸びました。

戦う市場をちょっとだけズラしたところに勝算があったのです。