女性のお客様を対象とした商品・サービスを発売する時、
直接お客様にヒアリングをさせていただきます。
最初は表面的な会話でも、次第に本音をストレートに語りはじめた瞬間から・・・。
今回は、女性の購買心理をふまえたキャッチコピーの作り方、
またキャッチコピーの役割などをわたくしが実際にやっている事例をご紹介したいと思います。
そもそもキャッチコピーとは?
新商品を発売する時は、チラシやDM、コマーシャル、ポスターなど、
さまざまな媒体を使って宣伝をします。
キャッチコピーは、それらの宣伝ツールの中にある、
売りたい商品の特徴などを短い言葉で表したものです。
キャッチコピーは、1文、1行の長さのものから
数行にわたるものまで、長さはさまざまです。
お客様にとっては、キャッチコピーを目にすることが、
商品との最初の「出会い」となります。
ですから、この「出会い」は大変重要! かなり頭を悩ませます。
キャッチコピーには、「ヘッドライン」と「ボディーコピー」の2種類があります。
ヘッドラインが1番最初に出会う部分で、
女性誌の表紙では一番上の部分に見やすく印刷されており、
その雑誌の今月のコンセプトを説明しています。
それを見た女性読者が興味を持つと、彼女たちはさらにその先の説明を読みたくなります。
その補足説明にあたる部分は、「ボディーコピー」と呼んでいます。
ボディーコピーを読んで、雑誌の内容が自分のニーズに合うと感じたら、
女性は買う行動を起こします。
ボディーコピーでは、
ターゲット女性が実際に買う行動を起こしたくなるようなメッセージが込められています。
このように、キャッチコピーを見てお客様がよい印象を持てば、
商品を買ってもらえる可能性が高くなり、商品の売り上げアップが期待できるので、
「最初が肝心!」なんですね。
キャッチコピーが重要視される理由
キャッチコピーには次のような宣伝効果があります。
1.商品の特徴を伝える
短い言葉で表された商品の説明を見れば、
お客様はその商品が自分のニーズに合うものかどうかがすぐにわかります。
2.商品に付加価値が加わる
お客様にとって、商品が自分のニーズに合うのはもちろんですが、
それに「付加価値」が加われば、
まだ買おうかどうか迷っている人にとっては「購入する」後押しになります。
3.キャッチコピーを思い出すことで、商品を買うきっかけとなる
キャッチコピーが記憶に残っていると、後から思い出して購入するきっかけとなることがあります。
毎日たくさんの新商品が登場する世の中において、
またさまざまな広告ツールの中で、
1つのキャッチコピーと何度も触れ合うと、
商品が顧客の目に留まりやすくなります。
購買心理の1つ「セブンヒッツ理論」によりますと、
「広告や情報に3回接触すれば、その製品を認知する確率が上がり、
7回接触すれば購入してもらえる確率も高くなる」と言われています。
さまざまな媒体を通じて同じキャッチコピーに何度も触れていると、
消費者はその商品を認知するだけでなく、
商品に対して勝手に良いイメージも持つようになるとも言われています。
このような購買心理の移り変わりを経て、消費者はその商品を買う行動を起こします。
(ちなみになんですが、わたくしもCA時代、
クレームをあげているお客様に対して、
「逃げずに接触を増やせ!」
と先輩スチュワードから教えていただいたことがあったんです。
もちろん「状況」によって、ということなのですが、
接触を増やすことによって、お怒りがだんだんと収まっていき、
最後には「ありがとう」とファンになって降りていかれたお客様を目の当たりにし、
このセブンヒッツ理論は「接客」でも同じことが言えるのではないかと感じました。)
さらに、商品にキャッチコピーがあれば、売れるチャンスが増えるとも言えます。
女性に響くキャッチコピー 3つの表現ポイント
女性をターゲットにした商品を販売する時は、
女性の購買心理をふまえたキャッチコピーを心がけます。
そのポイントは次のようになります。
1.商品説明ではなく、使ったらどうなるかをイメージさせる
売る側は、商品の良さや特徴をアピールしたいところですが、
そうではなく、商品を使った女性が、それまでの困っていた自分から、どう変われるか
をイメージできるような言葉を考えます。
これは、キャッチコピーを見た時に理想の自分がイメージできないと、
女性はその商品について、それ以上の関心を持つことはないからです。
2.売り手目線の表現はNG お客様が使う言葉に変換!
売り手目線:「毎日飲んで、骨を元気に保ちましょう」
お客様目線:「毎朝の1粒で、80歳越えの今でも 杖いらず」
このように、商品がそのお客様にとって「結局どうなるの?」かがはっきりとわかるよう、
実際にお客様が日常生活で使っている表現に置き換えるように変換していきます。
3.ヘッドラインは20文字以内
そもそも、広告をじっくりと全部読む人はほとんどいません。
特に女性の場合はその傾向が強く、
パッと見た直感で「面白くない」「興味がわかない」と感じれば、
その先の「買う」行動に至ることはほとんどないとも言えます。
写真も一緒に使い、目に入りやすく商品の良さを濃縮した表現を工夫します。
「読んでわかる」より、「見てわかる」ものを目指してください。
女性客に響くキャッチコピーノウハウ 8ルール
ではここで、わたくしが実際にキャッチコピーを作るときのノウハウを8つご紹介したいと思います。
これらは女性の購買心理をかき立てて、注目させるような言葉や表現方法で、
キャッチコピーの中に取り入れることで、女性に受け入れられやすくなるといわれているものです。
1.擬音
「ぷるるん素肌」「キラキラ就活」「ワクワク日曜日」など
「もっちり」や「もふもふ」などの擬音を使うと、
女性は音から「商品を手に入れた未来の理想の自分」がイメージしやすくなります。
2.実績
「○○通販部門 上位常連」「予約のとれない」「○○ランキングNo.1」など
実績を前面にアピールすれば、お客様は安心を覚えます。
数字は、「2000万画素」というような商品の仕様説明に使うのではなく、
「お届けまで48時間」というように、明確な数字が加われば、信頼度はさらにアップします。
3.特別感
「2019年春限定」「今だけ送料無料」「就活準備特大号」など
期限付きのもの、テーマが絞られたもの、
そして「あなただけ」と特別感を出すことを心がけます。
4.自分へのメッセージ
「究極のご褒美をあなたに」「私にぴったり」「自分らしい生き方」など、
ターゲット女性へ向けたメッセージは、女性の共感を得やすいと言われています。
5.安心を与える
「安心の自動車保険」「初心者でも大丈夫!」
不安が解消されるような内容があれば、初めての方でも選んでもらいやすくなります。
6.憧れ
「○○セレブ」=お金持ちになりたい
「プレミアム○○」=高級感にひたりたい
普段、心の底にある女性の理想が込められた言葉を見れば、
女性の購買心理が動いて買ってもらえる可能性が高くなります。
7.呼びかけられる
「○○が気になり始めたら」=自分のことかもしれない
「生きろ」(もののけ姫)
「マズイ!もう一杯!」(青汁)
呼びかけられることで、「何だろう?」と注意を引く効果があります。
8.造語
「コクうま」「人財」「信友」など
女性は特に、新しいことが好きという特徴があります。
言葉が流行れば、商品の売り上げアップにつながります。