女性コンサルタントのブログ

㉘日本人のお辞儀に込められたこころとは?

来年の東京五輪まであと1年。

日本人の「お辞儀」に込められた心をお伝えしたいと思います。

 

海外の方の挨拶

日本では、挨拶の際にお辞儀をします。

お辞儀は、日本人の特徴として

海外の方にもよく取り上げられますよね。

 

それでは、海外の方は挨拶の時にどのようなことをなさるでしょうか。

まず、握手があげられます。

握手は、手の中に武器がないこと、すなわち相手に敵意を抱いていないことを示します。

 

日本人は、握手に慣れていないこともあり、握手の力が弱いといわれがちです。

しっかりと手を握ることは、相手への気持ちの表れですので、

相手の目を見て、しっかり握手をすると良いでしょう。

 

 

お辞儀は、相手に対する気持ちを示す行為

そもそもお辞儀が日本人の挨拶行為になった歴史は古く、

3世紀に書かれた「魏志倭人伝」にも

「倭人は貴人に会う際にひざまずいて頭を垂れる」と記されているそうです。

 

お辞儀で頭を下げるということは「あなたに対して無抵抗です」と示すことでした。

おじぎは漢字で「お辞儀」と書き、

もともと「時宜(物事を行うのにちょうどいいタイミング)」という言葉からきていると言われています。

 

それがやがて、「他人への配慮を示す言葉」になったそうです。

 

お辞儀は、急所である頭を差し出すことで、

相手に対する服従や、敵意がないことを示す行為だったのです。

 

 

相手の前に頭を下げるという「意味」

 

頭を下げて無防備な姿を晒すことが敵意でないことを相手に知らせ、

コミュニケーションを図って物事をタイミングよく進める。

そのために昔から日本人は、お辞儀を大事にしてきたのだといわれています。

 

お辞儀は立ったままの時もあれば、座って行うこともあります。

ただし、日本の礼法において「椅子に座って」のお辞儀はありません!

座ってならば、「正座」に限ります。

 

よく、喫茶店などでテーブルに向かい合ったビジネスマンらしき人たちが、

「どうも、どうも〜」と椅子に座ったまま頭を下げ合っている姿を見かけますが、

あれはお辞儀というより簡単な挨拶にすぎないんですよね。

 

不祥事を起こした企業の謝罪会見では、

記者の質問に答える時は椅子に座っていた人たちが、

最後に一斉に立ち上がり、揃って頭を下げますね。

あれが、もし座ったまま頭を下げたなら、不祥事に輪をかけて企業の評価は地に落ちます。

 

あなたが椅子に座っている時に年長者がやってきたなら、どうしますか?

即座に立ち上がってお辞儀をしましょうね。

 

お辞儀というのは、ペコペコと何度も頭を下げるのではなく、丁寧に一回だけ行います。

頭をさげるというより、上体をまっすぐに倒すのが美しいお辞儀のコツです。

 

丁寧なお辞儀

一回の挨拶の場で何度もお辞儀をすると、かえってお辞儀が軽くなってしまいます。

ですから、お辞儀の回数はできる限り少ない方が好ましいと言われています。

 

よく外国映画で日本人が登場すると、

何度もペコペコと頭を下げながら挨拶をするシーンを拝見しますが、あれは残念ながら間違いです。

この点を外国の方にもお伝えし、ご理解いただくことが大切ではないかと思います。

日本の振る舞いとしては、丁寧にお辞儀をすること。

 

丁寧なお辞儀をし、「本日はありがとうございました」とこころを込めた言葉を述べ、

素敵な挨拶を心がけたいものですね。

相手と会った瞬間に相手へのこころを表現するかたち、それが「おじぎ」なのです。