女性コンサルタントのブログ

㉚「マニュアル」と「おもてなし」の大きな違いとは?

みなさんの会社には、「マニュアル」と呼ばれるものがありますか?

 

昨今、様々なお店が独自のマニュアルを持っていますよね。

店員さんは、マニュアルにある通りのことばや態度で駆使しながら

お客様をお迎えしています。

 

今回は、「マニュアル」と「おもてなし」の違いというものは、

どこにあるのか?という視点で書いてみました。

 

 

そもそも「マニュアル」とは?

 

そもそも「マニュアル」というのは、

最低限のレベルを保つために

「規則化した接客方法」のことだと

わたくしはとらえています。

 

企業が全国にたくさんのチェーン店をつくったときに、

ある一定の水準を保たなければならないと、

言葉遣いや所作を規則化したもの。

つまりマニュアルとは、

「うちの店員ならば、最低限これだけのことはしてくださいね」

という意味合いのものだと思うんです。

 

それは例えていうなら、

「合格ラインギリギリの規則」という言い換えもできるのではないでしょうか。

 

 

・・・・以前、こんなことがありました。

 

息子のサッカーの合宿に差し入れしようと、

ひとりでとあるチェーンのお店に買いに行きました。

 

 

そこでおやつ用のドーナツを50個買ったのですが、

店員さんは、真面目な顔でこう言いました。

 

 

「こちらでお召し上がりですか?それともお持ち帰りですか?」と。

 

「こちらでお召し上がりですか?それともお持ち帰りですか?」にある本質

 

笑い話のようですが、

マニュアルだけに頼っていると、

そのような機械的な対応しかできなくなってしまう危険性があります。

 

 

1つ2つでしたら、

「こちらでお召し上がりになりますか?」は

親切な言葉です。

 

が、どんなにわたくしがたくさん食べそうに見えたとしても、

ひとりで50個のドーナツを食べる人はそうそういないのですから、

この場合、

 

「大きい袋にまとめていれましょうか?それとも分けましょうか?」

「お車までお運びしましょうか?」

などの言葉が出てこなくてはなりません。

 

 

マニュアルだけに頼り切っていると、

そのような『状況に合わせた言葉』が

出なくなってしまうのです。

 

 

対して「おもてなし」とは?

 

マニュアルが最低限の水準を保つための規則だとしたら、

おもてなしはおひとりお一人のお客様に合わせて、

臨機応変に考え、

築きあげていくものだと思うんですよね。

 

 

「こちらのお客様は、杖をついているので、

うちはセルフサービスのお店だけど、お席まで持って行ってあげよう」

とか、

 

「このお客様は、荷物をたくさん持っていて大変そうなので、

大きめの袋をご用意しよう」という、

その場にふさわしい、心のある対応が「おもてなし」

だと私は思います。

 

 

 

おもてなしとは、マニュアルの上に築き上げるもの。

 

それぞれのお客様に合わせて、

どのようにしたら喜んでもらえるのかを考え、

柔軟に対応していくことなのです。

 

 

マニュアルは、店員全員が守るべき最低水準の接客で、

おもてなしは、100人のお客様がいらっしゃったら、

100通りの方法があるということ。

 

そこが、「マニュアル」と「おもてなし」の違いなのではないでしょうか。