女性コンサルタントのブログ

元客室乗務員による覆面調査②(クリニック受付編)

今回は、ある産婦人科さんからのご依頼です。

(こちらの産婦人科さんは、見るからに高級ホテルのような外観です)

このクリニックでは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、患者数が減少してしまいました。

そこで今こそスキルアップの機会と考え、覆面調査と接遇研修を行いたいとのことでした。

(それまでは、日常的に患者数が多く、研修などをする余裕がなかったそうです。)

 

第一印象は6秒から30秒で決まります

 

今回は、接遇研修も兼ねているので、動画撮影を行いました。

患者役と撮影役はスタッフが交代で行い、

スタッフ全員が担当別に患者対応のロールプレイをできるようにします。

 

もちろん普段通りのユニフォームを着用し、身だしなみもいつも通りに整えてもらいました。

スタッフの表情、指先、姿勢がきちんと見えるように撮影することがポイントであると伝えました。

まずは、受付の場面です。

初診の患者が来たことを想定し、入り口から患者が入ってきて、

受付スタッフが挨拶をするところから、保険証の預かり、

問診票の記入を案内するところまでが1シーンになります。

 

その次のシーンは診察室です。

患者を診察室に呼び入れ、医師の診察が始まるまでの対応を撮影していただきました。

このシーンでは患者の呼び出しや診察室への案内に加えて、手荷物を置く場所や座る場所の案内などがあります。

 

続いて、院長の診察です。

今回、院長の診察についてはロールプレイではなく、実際の患者さんに対応している様子を撮影しました。

(患者さまの姿や声、電子カルテの画面が映らないよう加工して、プライバシーに配慮しました。)

採血検査の様子も撮影してもらいました。

こちらはスタッフが患者役になってもらいました。

採血の説明、手荷物の置く場所、座る場所の案内など、

実際に採血を行うまでの30秒ほどのやり取りを撮影してもらいました。

 

患者対応のシーン以外では、駐車場からクリニックの入り口までの動線を実際に歩き、

患者からクリニックがどう見えているのかを撮影してもらいました。

それ以外にも、化粧室の様子や待合室などの様子も撮影してもらいました。

 

「ロールプレイだから普段よりうまくできるはずだ」と思うかもしれませんが、

プロの覆面調査員が見ると意外と課題が見つかるものです。

今回は、以下のような内容が課題として挙がりました。

 

表情に関しては、優しく穏やかな方が多かったのですが、表情の硬い方が2人いました。

身だしなみに関しても、少し華美に感じられる方がいて、

自分がおしゃれを楽しむより、相手のために身なりを整えるという視点を持つとよいと感じました。

後れ毛を留めていないスタッフもいました。

 

言葉遣いの面では、「こちらにお掛けになってくださーい」「お願いしまーす」などと、

ほとんどのスタッフが語尾を伸ばしていました。

無意識に誰かの話し方がうつってしまい、これがスタンダードになっていたのかもしれません。

しかし、語尾を伸ばすと子どもっぽく、なれなれしい印象になりますので、

ワンランク上の接遇を実現するには、改善した方がよいと感じました。

また、患者さんが玄関に入った際には、

受付スタッフが立ち上がりながら「こんにちは」と言っている場面がありました。

患者の姿が見えたらすぐに立ち上がり、きちんと静止した後、

相手の目を見て笑顔で「こんにちは」と言ってお辞儀をすると動きにメリハリが感じられ、

キビキビとした印象になります。

 

 

また手荷物を入れるかごをご案内するときも、手もそろえることなく、相手の顔もかごも見ていませんでした。

場所を案内するために、物を指し示すときは、指をそろえること、

目線を「相手→物→相手」の順で示すと、場所を理解してもらいやすくなります。

 

そのほかにも「保険証をお預かりします」という前から、手が出ていたり、

採血の際、「失礼いたします」という前に患者に触れていることがありました。

これは、日ごろの業務の中で「癖」になっている動作なのかもしれません。

ただ、患者に安心感を与えるためには、言葉で説明してから患者との接点を作ることを意識するとよいでしょう。

 

フィードバックは「丁寧」に「理由」を伝えることが大事です

 

動画から得られた改善点を基に、フィードバック研修を行いました。

一人ひとりに自分の動画を見てもらい、それに対して細かくコメントをしていくスタイルで行いました。

動画を撮影すると、一目瞭然!

「染みついた癖」や「良かれと思ってやっていたけど改善すべき点」などは逆に浮き彫りになる印象です。

院長も「これほどの研修ができるとは想像していなかった」と大変驚いており、

今後も継続的に実施していきたいとのことでした。

 

 

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