接客業をしていると、
「ありがとうございます」
という言葉をお客様に伝える機会が多いですよね。
しかし、あなたは自分がお客様の立場になったときに、
スタッフからの「ありがとうございました」が、
言葉だけで気持ちが全く伝わってこないと感じた経験はないでしょうか?
例えば、目を合わせず、顔も見ずに、ぼそっと小さな声で「ありがとうございました」と言われたとき。
そんな接客を受けると、私たちはどう感じるでしょうか?
「マニュアル通りの接客」と捉えられ、
「こなされた」「作業の一環」として、
逆に不快感を抱くことさえあります。
せっかくの「ありがとう」も、
伝え方次第ではお客様を不快にさせたり、
敵意を持たせてしまったりする可能性があります。
それでは本末転倒ですよね。
では、どのように感謝の気持ちを伝えれば、お客様に本当に伝わるのでしょうか?
まず最も大切なことは、
あなた自身が心からお客様に「ありがたい」と感じていることです。
この気持ちがなければ、いくら言葉を重ねても、相手には伝わりません。
次に大切なのは、感謝の気持ちを具体的な言葉で表現することです。
例えば、
「いつもご来店いただきありがとうございます。」
「朝早くからお並びいただきありがとうございます。」
「本日もたくさんお買い上げいただきありがとうございます。」
このように、「何に対して」感謝しているのかを具体的に伝えるだけで、
相手に伝わる気持ちの深さが格段に違います。
ワンランク上の「ありがとう」を伝えるためのコツ
それは、「事実」+「ありがとう」を組み合わせることです。
例えば、
・「本日は、たくさんのお客様をご紹介くださいましてありがとうございました!
○○さんのおかげで、こんなに多くのお客様にご利用いただくことができました。」
・「△△様からのご意見を受けて、提供メニューを見直したところ、
他のお客様からも好評をいただいております。ありがとうございました。」
このように、お客様がとってくださった行動やおっしゃった言葉に焦点を当てることで、
お客様は「自分の気持ちを理解してくれている、共感してくれている」と、安心感を得ることができます。
私が日本航空に在籍していた時も、お客様には助けられました。
「先ほどは、○○してくださってありがとうございました。本当に助かりました!」
と具体的にお伝えすることで、
お客様の方から自然と
「あなたのために」、「あなたを応援したい」という気持ちが芽生えるらしいのです。
私もこんなことで良いのなら、お安いご用!
とばかりにお礼を伝えていたら、
「ありがとう」がどんどん増えていき、とてもあたたかな客室になっていったのを覚えています。
これは、CA同士のコミュニケーションも同じで、これが、より良いコミュニケーションを生み出す秘訣です。
こうして、具体的な感謝の言葉を伝えることで、
あなたを応援してくれる人も増えていき、
幸せの連鎖反応が生まれるのだと思います。