先日、ちょっと面白いエピソードを耳にしました。
その方は、まだ若いお父さんなんですけれど、
ある日曜日、ご家族3人でショッピングモールに出かけたときのことだそうです。
ママは、久しぶりの美容院とのことで、今回はパパと子供たちでの外出でした。
そのお父さんは、2歳の男の子と、生後6ヶ月の赤ちゃんを連れてベビーカーを押しながら、
フードコートでランチを楽しんだそうです。
そして、食事を終えて次のショップへ向かおうとしたそのとき…。
「さて、オムツ替えはどこでできるかな?」と探し始めたのですが、どこを見ても授乳室の案内が見当たらない。
それなら、と近くにあったお店のスタッフさんに尋ねました。
「すみません、授乳室はどこにありますか?」
すると、スタッフさんは笑顔で言いました。
「こちらのフロアには授乳室はありません。」
「え…あ、そうなんですね…」と、ちょっと困った表情を浮かべるお父さん。
さらに「別のフロアにはありますか?」と聞くと、「はい、3階にございます」と答えが返ってきました。
けれど、それだけ。
お父さんは、赤ちゃんを抱っこし、バタバタする上の子を見ながら「…3階か。どこだろう…」と、心の中でため息。
たしかに「正しい」情報は伝えてもらったけど、どうもスッキリしませんよね?
正解を伝えるだけじゃなく「心のプラスワン」を
さて、ここで考えてみましょう。
このスタッフさんは決して間違った対応はしていません。
お客様からの質問に対して「このフロアには授乳室はありません」「3階にはあります」と答えていますよね。
でも、これで本当にお客様が満足できるかというと…ちょっと疑問です。
接客って、答えの「正しさ」だけじゃなく、その先に「相手がどう感じるか」を見据えた対応が求められます。
そこで「心のプラスワン対応」が求められるのです。
「プラスワン」でお客様の笑顔を引き出す
たとえば、この場面ならどうでしょう?
「こちらのフロアには授乳室がございませんが、3階にございます。
少しわかりにくい場所にありますので、エレベーターを出たら右手の奥に進んでくださいね。
もしお時間があれば、エレベーター前に小さなキッズコーナーもございますので、
お兄ちゃんを少し遊ばせてあげてから行かれると、ご家族みなさんで移動しやすいかもしれません。」
これくらい伝えれば、「この人、すごく気が利くな」と感じてもらえるかもしれませんよね。
ちょっとした情報の付け足しですが、お客様の心に寄り添うことで、ずっと良い印象を残すことができるんです。
接客の「愛情」は、プラスアルファで伝わる
元CAとしてフライト中に感じたことですが、忙しいときほど、つい「答えること」に集中しがち。
でも、そこで一呼吸おいて「相手がどう感じるか」を考えてみると、
思わぬ「ありがとう」を引き出せることが多いんです。
たとえば、「コーヒーをブラックで」と言われたときも、
「お疲れでしたら、少しだけミルクを入れて優しい味にしてみてはいかがですか?」なんて提案すると、
意外と喜ばれたりするんですよね。
情報を伝えるだけでなく、そこに「ちょっとした愛情」を添えること。
それが、お客様の心を掴む「プラスワン接客」なのです。
本日のまとめ:正しい答え+αの「プラスワン」を!
接客って、お客様に「これが正解ですよ」と答えることではなく、
その先に「お客様が気持ちよくなれるかどうか」を意識すること。
だから、今日から皆さんも「正しい答え」に、もうひとつ「ちょっとしたプラスワン」を加えてみてください。
笑顔の連鎖が、きっと生まれますよ!
では、今日も素敵な一日を♪