突然ですが、あなたは『待つ』のがすきですか?
・・・・
私は、嫌いです。
待たせる側は、待たせた30分を、『ただの「30分」』と思っていても、
待たされる側の言い分としては、
「同じ30分でも連絡があるのとないのとでは、全然違う」訳です。
例えば、ホテルの書店に立ち寄って気になる本をチェックしたり、
静かな場所に移動してメールを仕上げたり、あるいはブログを更新したり
人は「待ち時間」を「持ち時間」に転換したい訳です。
今か今かと待ち侘びていたのでは、そうはいかない。
それを証明するこんな番組がありました。
それはNHKの科学番組でのとある実験。
その番組では、30人の一般人をモニター調査と称して集めて、2組に分けました。
そして15人ずつをそれぞれ別の部屋で待たせるのです。
その様子を隠しカメラで撮影している訳です。
どちらの部屋の人も、15分、30分、45分と時間経過とともにイライラが高まります。
60分経過したあたりになると、もはや険悪な雰囲気と言ってもいいくらい。
で、60分が経過したあたりで、
片方の部屋にだけ
「お待たせいたしました。あと5分で撮影が開始になります。今しばらくお待ち下さいね」
とスタッフが連絡をしにきます。
もう一方の部屋は、相変わらずそのまま『放置』します。
すると・・・・
この瞬間から、2つの部屋には大きな違いが現れ始めます。
連絡が入った部屋の空気は緩み、初対面同士にも関わらず和やかな歓談が始まりました。
けれど、もう一つの部屋はと言うと・・・険悪の度合いがさらに悪化している(怖っ!)
人間というのは、自分の未来を選択し、
自由な行動をとる権利を剥奪されると極度のストレスが溜まるものです。
自己コントロールができない状態というのは、
いわば宙ぶらりんの状態で放置されるような精神状態。尊厳にも関わります。
その苦痛は待たせている側の人にはわからない。
だから、待たされて怒っている人の方のことを
「病的に怒っている」などとのんきな表現をしてしまう。
そうではなくて、連絡を入れる。
例えば、「あと5分ほどで到着します」
と時間を付け加えるだけで、待つことができます。
機内のアナウンスもそうでした。
遅延でいつ到着するかご不安なお客様の心情を察し、
今の確かな現状をお伝えするアナウンスを入れるようにしていました。
あとどれくらいお待たせしてしまうのかを具体的な目安の時間をお伝えするだけ。
これだけで、お客様の不快な感情は少しでも和らぐのです。