「マナーは学んだ。でも、お客様の反応が変わらない・・・」
そんな現場の声を、最近よく耳にします。
形式的な笑顔や言葉遣いはできているのに、「選ばれる理由になっていない」。
その背景には、“接客=マナー”という認識の限界があります。
元JALファーストクラスCA、そして接客コンサルタントとして、私が現場で感じるのは——
今、接客の本質をもう一度問い直す時期に来ているということです。
なぜ今、「接客の見直し」が求められているのか
◆お客様のの“基準”が上がっている
SNS時代、たった一つの接客体験が「口コミ」や「評判」に直結する時代になりました。
「丁寧で当たり前」「笑顔は当然」。その上で、“記憶に残る体験”が求められているのです。
◆形式だけの接客は、すぐに見抜かれる
ある大手クリニックでのコンサル事例では、
受付スタッフの対応が「マニュアルどおりすぎる」とクレームが入り、スタッフ自身が自信を失っていました。
本来、マニュアルは“安心材料”であるべきですが、それだけでは人の心を動かす接客にはなりません。
“マナー”だけでは選ばれない時代の接客とは
◆マナー=最低限の土台でしかない
お辞儀の角度、敬語の使い方、表情の作り方——
これらは「社会人としての常識」であり、「印象を悪くしないための基本」です。
けれど、そこに“想像力”がなければ、お客様の記憶には残らないのです。
◆心を動かすのは「気づき」と「一歩先の提案」
たとえば、ホテル業界での話。
「雨が降ってきたら、傘を貸す」のは当然。
でも、「夕方から雨予報ですね。お出かけのご予定、大丈夫ですか?」という一言があるだけで、
心の距離がぐっと近づくのです。
元CAが見た「選ばれる接客」の共通点
◆共通するのは「察する力」と「空気を読む力」
JALのファーストクラスでは、VIPのお客様が“言葉にしないサイン”を発しています。
「お声がけしてほしい」「今は静かにしていてほしい」。
そうした空気を読み取り、0.5歩先を提案する力が、プロフェッショナルの接客です。
このようなクライアント様の事例があります。
この会社様は、リラクゼーションサロンを都内に2店舗経営されていらっしゃいました。
オーナー様は、「技術は褒められるけれど、リピートにつながらない」
「お客様との会話に苦手意識があるスタッフもいて、接客に差が出てしまう」
と、悩んでご相談に来られました。
【取り組み内容】
・スタッフ一人ひとりの「接客スタイルの自己分析」
・“お客様の体の反応”に気づく感性を育てるワーク
・「相手のコンディションに合わせた接客」の共有
【変化】
あるスタッフが、「今日はお疲れの箇所が多いですね。肩が上がりにくかったですよね?」
と自然に声をかけたことで、
「なんで分かるの⁉」と驚かれ、次回予約がスムーズに。
リピート率は36%→68%に上昇。
スタッフのやりがいも高まり、離職率がゼロに。
ホスピタリティは「技術」であり「在り方」なのではないでしょうか
◆おもてなしとは、相手の“期待の上”をいくこと
ホスピタリティは気合や精神論ではありません。
“相手の立場に立ち”、今ここで自分にできる最善を考える「技術」であり、「在り方」だと思うのです。
◆型を学んだあとに必要なのは、“応用力”
ある企業様では、「ホスピタリティの感性」を育てる研修を導入。
「お客様の感情変化を読み取る」「声のトーンや話すスピードで伝え方を変える」といった、
“考える接客”が結果を出しています。
接客の質を高めるために企業ができること
◆“やり方”より“考え方”を育てる教育へ
もちろん即効性のあるマニュアル研修も必要です。
が、それよりも、日々の接客から“考える力”を育てる仕組みが重要なのです。
◆クライアント様事例:介護施設様
【背景】
「利用者様からのクレームが続き、スタッフのメンタルが不安定に」
「注意すると“やってます”と反発され、現場責任者が疲弊・・・」
↑こういった時って、悪循環に陥りますよね。
【取り組み内容】
・接遇委員による小グループ制リーダー育成
・“なぜそれが大切か”を考える感情フローシートを導入
・接客ルールを現場で再構築
【変化】
導入3ヶ月を過ぎたところで、「気持ちをわかってくれる」と入居者様の声が増加。
クレームが月平均5件→半年後ゼロに。
職員の定着率が改善し、3年ぶりに新人が1年以内に辞めなかった。
という事例もございます。
接客にも“コンセプト”が必要な時代へ
◆なぜ接客にコンセプトが必要なのか?
「接客=誰にでも同じようにすれば良いこと」と思われがちですが、
今の時代、それでは“選ばれる”どころか、“埋もれる”接客になってしまいます。
◆接客コンセプトがない現場で起きる“ズレ”
インテリアショップではスタッフごとに接客スタイルがバラバラで、
「接客の当たり外れがある」と口コミで指摘され来店リピートが減少。
“暮らしに寄り添う相談相手”という新たなコンセプトを設定し、
スタッフ全員がその在り方を共有しました。
その結果、「話しやすくて安心した」という声が増え、平均購買単価が15%アップ!
◆“型”より“方向性”を示すのが、接客コンセプト
接客のコンセプトはマニュアルより自由度が高く、現場で考える「軸」になります。
共通言語がないと、現場は判断に迷い、スタッフごとに対応にばらつきが出てしまいます。
だからこそ、全員が立ち返れる“接客の軸”としてのコンセプトが不可欠なのです。
◆私が、接客コンセプトをつくるためのステップ
①会社やお店の「理念」「文化」「世界観」を確認
②ターゲットとなる対象のお客様像を明確に
③お客様が求める“感情的価値”を洗い出す
④接客でどう表現するかを言語化
⑤ロープレで体感的に落とし込む
接客は“ブランディング”です
マナーは「入り口」、ホスピタリティは「信頼」の土台です。
マニュアルでは育たない“人の心に届く力”こそ、ブランディングそのもの。
接客の在り方は、企業の価値そのものを体現します。
だからこそ、接客には「コンセプト」「方向性」「応用力」が必要です。
あなたの会社にこそ、必要な“接客力”の再定義
・「接客研修は一通りやっている」
・「もうこれ以上は望めない」
そう思っていませんか?
でも実は、「あと一歩」の視点と仕組みで、
お客様の感動も、スタッフのやりがいも、変えることができるのです。
もし、いまこの記事を読んで「うちも似た状況かもしれない」と思われた方がいらしたら・・・
どうか、その“あと一歩”を見過ごさないでください。
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