介護従事者として働く中で、「ご家族様への対応や言葉遣いに悩む」という方は、思いの外多いものです。
介護の現場では、ご本人へのケアと同じくらい、ご家族様との関係性も大切にされます。
特に入所時や緊急時、看取りに近づくタイミングなど、介護職の言葉ひとつが、
ご家族様の安心や信頼に大きく影響を与えます。
「どう伝えたらいいのか迷う…」
「感情的なご家族様に、どう接すればよいか分からない…」
そんな悩みを感じたことがある方も多いのではないでしょうか?
今回は、介護接遇の視点から、ご家族様対応において信頼を深める言葉遣いのポイントを4つご紹介します。
言葉遣いひとつで、関係性はやわらぎます
介護施設において、ご家族様との信頼関係は一朝一夕に築けるものではありません。
でも、毎日の小さな声かけや、表情・言葉の選び方次第で、心の距離はぐっと縮まります。
以下の4つのポイントを意識することで、ご家族様の不安をやわらげ、信頼と安心を届けることができます。
1. 表情と“聴く姿勢”で、安心の土台をつくる
まず大切なのは、言葉以上に伝わる「表情」と「姿勢」です。
たとえば、心配そうな表情で訪れたご家族様には、安心感を届けるような柔らかい笑顔と、
静かにうなずきながら耳を傾ける姿勢が求められます。
「話を聞いてもらえている」という実感こそが、心の緊張をほぐす第一歩。
この“聴く姿勢”には、どんなに正しい説明よりも、深い信頼を築く力があります。
2. 「挨拶+ひと言」で距離を縮める
ご家族様にとって、施設は「ご家族を預ける居場所」。
それだけに、「今日はどんな様子だったか」が気がかりなのです。
そんなときに、
「こんにちは。今日も穏やかに過ごされていましたよ」
「先ほど、お好きな音楽を聴かれて、リラックスされていました」
など、挨拶にひと言添えるだけで、安心感や親しみが一気に高まります。
“自分の大切な家族を見てくれている”という実感を、ご家族様に持っていただけるよう心がけましょう。
3. クッション言葉で、思いやりを伝える
ご家族様にお願いをするときや説明をするとき、クッション言葉を添えるだけで印象が大きく変わります。
例:
「恐れ入りますが、〇〇のご記入をお願いできますでしょうか」
「お手数をおかけしますが、〇〇の確認をお願いできますか」
「差し支えなければ、〇〇について少しお話を伺ってもよろしいでしょうか」
たった一言ですが、“配慮の気持ち”が伝わる魔法の言葉。
事務的に聞こえがちな伝達も、温かみのある対話へと変わります。
4. 相手に合わせた、丁寧で分かりやすい言葉を選ぶ
介護の専門用語や制度の言葉をそのまま使うと、ご家族様には伝わりづらく、不安を強めてしまうことがあります。
たとえば、
「認知症の進行が…」ではなく →「少し忘れっぽさが目立つようになってきています」
「看取りケアに移行します」ではなく →「これからは、○○様にとって一番心地よく過ごしていただけるようなケアに変えていきますね」
“伝える”ではなく、“届くように話す”。
これは、介護接遇の基本であり、相手に心を寄せる言葉の選び方です。
言葉に“心”をのせて届けること
介護の現場において、言葉は業務を進めるための手段ではなく、
「安心」や「信頼」を届ける手紙のようなものです。
日々の中で、
・表情
・聴く姿勢
・ひと言添える優しさ
・わかりやすく丁寧な表現
これらを意識することで、ご家族様との関係性はぐっと変わります。
“ことば”は“こころ”を運ぶもの。
その丁寧な積み重ねが、「あの施設にお願いしてよかった」と思っていただける何よりの力になります。
現場での接遇力を“自信”に変えるために
ご家族様とのやりとりに、少しでも迷いや不安を感じることがあるのなら・・・。
それは、現場をよりよくしたいと願っている証拠です。
私たち《株式会社キャリア・ジョセフィーヌ》では、
「言葉だけでなく、心まで伝わる介護接遇」をテーマにした研修を行っています。
・クレームにならない“伝え方”の工夫
・多様なご家族様との関係性を築くための視点
・現場で使える言葉選びのトレーニング
・スタッフの自信と現場力を高めるワーク型の実践研修 など
形式だけのマナーや敬語ではなく、
“その人らしい関わり方”を育てるオーダーメイド型研修で、
施設全体の“接遇品質”を底上げしていきます。
施設の課題に合わせたご提案をいたします
・「若手スタッフの接遇力を育てたい」
・「ご家族様との関係性を改善したい」
・「まずは話だけでも聞いてみたい」など、どんなご相談も歓迎です。
▶ 詳しい研修内容やご相談は、お気軽にお問い合わせください。
\“言葉で信頼を届ける介護接遇”を、貴施設の強みに/
皆さまの現場が、もっと安心と笑顔に包まれることを願っております。