女性コンサルタントのブログ

“感じがいい接客”の共通点。一流スタッフは“受け取り上手”

私が客室乗務員として乗務していた頃、お客様から「やっぱりJALはいいね!」「また乗るからね!」

「今日のCAさんたちはとても感じが良かった!」と言われると飛び上がって喜びたくなる気持ちになりました。

 

どんな仕事もそうですが、仕事というのは「楽しい、嬉しい」ことよりも

大変なことや地味にコツコツ同じ作業を続けることを余儀なくされるものですよね。

そんな日々の苦労や努力を吹き飛ばすほどのエネルギーになるものはお客様の笑顔であったり、

「ありがとう」の言葉であったり、お褒めの言葉ではないかと私は思うのです。

 

やりがいや充実感を得ることのできるそのような言葉は、まさに「宝物」。

働き続けるための「ガソリン」と言っていいかもしれません。

 

だからこそ、そのような言葉を上手に受け取ることができる人は、さらに仕事の「質」が上がっていくはずです。

ところが残念なことに、接客スタッフの中には、せっかくのありがたい言葉を聞き流してしまっていたり、

受け取り下手な人もいるようです。

今回の記事により、1人でも多くの「受け取り上手なスタッフさん」が増えることを願ってやみません^^

 

自社の商品やお客様にも無関心?!

早速ではありますが、私が経験した残念な事例をご紹介したいと思います。

これは、いずれも受け取り下手というよりも、自社商品や自社店舗にお越しくださったお客様に

興味がないのでは?!と感じてしまったケースです。

 

ある日、私は、お世話になっている方への手土産を購入するために、とある有名な和菓子屋さんを訪ねました。

噂では聞いてはいたのですが、初めてのお店で何が人気商品なのかわかりませんでしたが、

無難であろう「塩豆大福」を選びました。

ショーウィンドウの上には、カゴに入ったたくさんの羊羹が積まれていましたが、

「本日は予約分で完売です」というような案内がありました。

 

「へー。この羊羹、そんなに人気があるのね・・・・」と思いつつ、

包装と会計が終わるのを待っていると、

「お待ちになっている間にこちらをどうぞ・・・」

と店員さんが温かいお茶と一口サイズの羊羹をお盆に乗せて出してくれました。

 

差し出された羊羹をパクッと食べると、とても美味しい!ではないですか!!

思わず

「わー、美味しい。この羊羹、もしかして予約だけで売り切れになっているこの(カゴに山積みの)羊羹ですか?」

と興奮気味に訪ねました。

 

すると店員さんは、無表情のまま「はい。そうです」

と興奮気味の私とはマイナス20度くらいの温度差で超クールなお返事をくれました。(笑)

そして羊羹のことは一切触れず、「お会計は、○○○○円でございます」と続けました。

 

私は、その瞬間、パーっと汗が出ました。

「いくら美味しかったとはいえ、興奮気味に質問してしまって、私ったら恥ずかしい・・・」

「せっかく美味しいという気持ちを伝えたけれど、なんだかガッカリ・・・。

「もう2度と恥ずかしくて通えない」

こんな気持ちになったのです。

 

 

この店員さんご自身が作った羊羹ではないとしても、自分が働く店で販売している商品ですよね。

接客をしていると、時に理不尽なことを言われることもあると思います。

そんな中でのせっかくの「お客様からのお褒めの言葉」です。

しっかりと受け止めていただきたいと思いました。

 

お客様との温度を合わせる

お客様が「美味しい!」と喜びや嬉しさ、幸せを表現しているにも関わらず、まるで他人事。

あなたは、こんな接客をされたら、どう思いますか?

 

当たり前のことですが、お客様からお褒めの言葉をいただいたなら

まずは「ありがとうございます!」という感謝の言葉を忘れないでくださいね。

言わずもがな形だけの言葉ではなく、心を込めてその言葉を口にしてほしいと思います。

 

数ある店舗の中から選んでくださったこと、

わざわざ足を運んでくださったこと、

さらには商品を気に入って嬉しい言葉を聞かせてくださったこと、

探せばいくらでもお客様に感謝すべきことはあるのです。

 

 

接客は「感謝と歓迎の気持ち」をあらゆる方法で伝えること

接客は、「感謝と歓迎の気持ち」をありとあらゆる方法で伝えることが大切です。

けれどこれは、決して難しいことではありません。

「ありがとうございます」という言葉を日々の接客の場面でどんどん使っていきたいものですね。

 

おそらく、この和菓子屋さんも、お客様に感謝の気持ちを込めて、

「会計を待っている間にお茶とお菓子を提供する」ことをされているのだと思います。

これ自体はとても喜ばれることだと思います。

 

しかし、このような対応ではいかにも「マニュアルで出しています」という感じが顕著です。

何のためにそのようなサービスをしているのか?というような視点が必要なのではないかと思いました。

 

ただ機械的にマニュアル通りにモノを提供する、これでは接客に人が携わる魅力が台無しです。

人が関わるからこそ伝えられる気持ちや感じ取ることができる温度があります。

 

笑顔を添えてお客様に惜しみなく感謝の気持ちを伝えること、お客様の温度を損なわないこと。

接客は、商品やサービスを超えて、「人と人との信頼関係」を築く仕事です。

お客様の嬉しい言葉を素直に受け取り、感謝を込めて返す。

たったそれだけで、お客様との心の距離はグッと縮まります。

 

そしてその小さな積み重ねが、リピートやご紹介につながっていくのです。

お客様からの“宝物のような言葉”を、どうか大切に受け止めてくださいね。