こんにちは。ホスピタリティ経営コンサルタントの関優子です。
最近、現場指導に関してもご質問をよくいただきます。
本記事では、私が企業研修や現場コンサルティングの中で大切にしてきた、接客指導のポイントを5つに絞ってお伝えします。
スタッフ育成に悩む経営者様、店長様、現場責任者様のヒントになれば幸いです。
なぜ今、ホスピタリティ経営が求められるのか
接客や接遇は、単なる現場オペレーションではありません。
お客様の満足度、リピート率、口コミ、スタッフの定着率にも関わる、重要な経営課題です。
だからこそ、属人的な「感じの良さ」に任せるのではなく、現場と経営をつなぐ視点として「ホスピタリティ経営」が必要になります。
ホスピタリティ経営の基本は「ありがとう」の見える化
接客の世界では、「ありがとう」という言葉は馴染みがあるものだと思います。
お客様のご来店やお帰りになる際に、またお客様からの「ありがとう!」もありますね。
誰もが幸せになる「ありがとう」という言葉を、ぜひお客様だけでなくスタッフ間でも積極的に使っていただきたいと思います。
誰から言われても嬉しい言葉ではありますが、社長や店長からのその言葉はとりわけ嬉しいものです。
すでにそのようなことを心がけているようでしたら、さらに伝わる言い方として、
「ありがとう」だけでなく、何に対しての感謝なのかを具体的に表現されることをお勧めします。
例えば、「いつも率先して清掃してくれてありがとう!」
「忙しいのに、いつも笑顔で引き受けてくれてありがとう!」というように
具体的な言葉にするのです。
そうすることで言われたスタッフは、「自分の働きや頑張りをちゃんと見てくれている」「前向きな姿勢を評価してもらえている」と感じることができるのです。
お客様からのお褒めの言葉や笑顔にも、喜びとやりがいを感じますが、共に働く仲間や上司からの感謝の言葉や評価もまた、仕事をする上で大切な充実感や達成感につながるものです。
感謝が言葉として行き交う職場は、空気がやわらかくなるだけでなく、スタッフ同士の信頼関係を育て、結果としてお客様への接し方にも表れてきます。これこそが、ホスピタリティ経営の土台なのです。
接客指導ではスタッフにもクッション言葉を使う
お客様に何かをお願いするときやお断りをするとき「申し訳ございませんが」「あいにくですが」というような「クッション言葉」を日頃使っていると思います。
ここまでかしこまった言葉は必要ないかもしれませんが、目下のスタッフに対してもクッション言葉を使った場合とそうでない場合とでは、コミュニケーションの質に大きな「差」が出ます。
とある企業様の研修に入った時に「上司から引き受けた仕事はもちろんやりますが、『コレ、やっといて』とか『はい、コレ』と言われるよりも『今、少し頼んでもいいかな?』
『忙しいところ悪いんだけど』と言われるとやる気が全然違う」という意見が多く聞かれました。
決して不思議な意見ではないですよね。
少しの手間はかかりますが、ひと手間かけた丁寧なコミュニケーションは「自分の存在を大切に扱ってくれている」と感じさせるものなのです。
人は自分を大切にしてくれる人を信頼し、心を開きます。
たった一言、ではありますが双方にとって良い効果も生まれます。ぜひお試しください。
接客品質は、お客様の前だけで整うものではありません。
だからこそ、スタッフへの言葉遣いは、その会社の接客文化が表れるのです。
リーダーの言葉が現場の接客品質をつくる
接客をしていると、気難しいお客様や理不尽なことをおっしゃるお客様に疲弊してしまうことがあります。
接客スタッフも感情のある人間ですから、そのような時に傷ついたり、憤ったりするのは自然なことだと思います。
現場スタッフのそうした気持ちを理解して寄り添うことはとても大切です。しかし、その時にリーダーがどのような言葉を選んで気持ちに寄り添うのかが重要です。
とても残念な事例ですが、とある接客スタッフがお客様がいないところで「客」という言葉を使っていました。
お客様が目の前にいようがいまいが「お客様」「お客さん」という呼び方をして欲しいものです。
言葉は思っている以上に意識に影響するものですから、スタッフしかいないときやトラブルがあった時でも、呼び方や言葉には気をつけるようにしましょう。
私自身、JAL国際線での接遇や、その後の現場コンサルティングの中で実感してきたのは、接客の質は個人のセンスだけで決まるものではなく、日頃どんな言葉が職場で交わされているかで大きく変わるということです。
リーダーが普段どのような言葉を使うのか、スタッフたちはよく見ていることを忘れないでいてくださいね。
接客改善は「指導後の変化」を見逃さないことから始まる
「褒めて育てる」というのはとても素晴らしいことですが、だからと言って褒めているだけでは改善や成長につながらないのが現実です。
やはり指導すべきことがあればしっかりと伝えていくこともリーダーの務めです。
私がコンサルティングに入って現場の指導にあたっていた時に心がけていたのは、「指導した後の変化や工夫を見逃さない」ことでした。
まだ合格点ではないとしても、昨日との違いに気づき、それを相手に伝えることで、「改善に向けての努力や行動」を評価していることや、きちんと見守っていることを感じ取ってもらえるように努めていました。
褒められることが好きな人が多いのは事実ですが、とってつけたような褒め方はテクニックだと受け止められてしまい、育成に効果的ではない場面もあると思います。
お客様と同じようにスタッフの性格も十人十色ですから、全ての人に有効ではないかもしれませんが、育成をするときのヒントの一つとして参考にしていただけますと幸いです。
企業理念は掲げるだけでなく、行動で示す
企業理念や店内のポスターに「お客様に感謝」「お客様第一主義」と書かれていたとしても、それだけでスタッフに理念が浸透することはありません。
最も強い説得力や影響力は、上に立つ人の行動が企業理念と一致しているかどうかです。
「親の背を見て子は育つ」というように、リーダーのあり方が、スタッフの仕事にも大きく影響していることを、わたくし自身肌で感じます。
リーダーの言動がスタッフにとっての模範であればあるほど説得力や信頼関係が増し、指導するような場面でも素直に言葉を受け取ってもらいやすくなるでしょう。自ら率先して理念を体現することをぜひ大切にして欲しいと思います。
ホスピタリティ経営を根づかせるために経営者がすべきこと
美味しいものを食べることや、感じの良い接客を受けることは、誰にとっても幸せなことです。
接客業で働いている皆様方は、多くの人の幸せに貢献しています。
経営上の悩み、お客様からのクレーム、スタッフ同士の人間関係などで頭を抱えているリーダーの方々も少なくないと思いますが、それらを解決した先には、必ず誰かの幸せや笑顔があります。
経営者がすべきことは、現場に任せきりにすることではなく、
どんな接客を自社の価値とするのかを「言語化」し、リーダーを通じて日々の行動に落とし込むことです。
接客指導や現場改善でお悩みの企業様へ
接客の質を上げたい。
クレームを減らしたい。
現場任せではなく、経営としてホスピタリティを根づかせたい。
そのようにお考えの企業様は、ホスピタリティ経営の視点から、現場改善・接客指導・研修設計をご一緒させていただきます。
自社の課題に合わせたご相談をご希望の方は、ホスピタリティ経営コンサルティングページよりお気軽にお問い合わせください。

