わたくしは、仕事柄、女性顧客の方々を多く持つ企業様
(接客業・飲食業・小売業等々)
の社内改革も含めて関わることが多いのですが、
今日はその中からの気づきをシェアしたいと思います。
事前に役員の方々とお話をして、
プロジェクトの役割や使命、目標、ゴールなどを決めていても、
実際はプロジェクトのメンバーが招集され、
話してみないとどこまでのレベル感、
スケジュール感で進められるかははっきりとは見えてきません。
(これは、企業様にお任せするメンバー選出が一番の鍵だったりするのですが・・・。)
「社内プロジェクトの改革」ということで、
まず一義的には、「売上の成果を上げること」を要求されます。
ですが・・・。
本質的な部分は、それを実践し続けることができる“人材育成”と
それを受け入れサポートし共に成長していく“社内風土づくり”の方が本質
なのでは?と思います。
むしろ、企業の成長のためには目の前の成果よりも
そっちの方がかなり重要だったります。
・・・分かりますよ。
役員の方々は日々「売上」、「数字」と戦っているわけで・・・。
でもね、ちょっとだけ考えてみてください。
今のこの状況は、いつからのものですか?
現在の「不振」は、「お客様の声」を今まで無視してきた結果なんです。
現在の社員のモチベーションが低いのは、「従業員の声」を長年無視してきた結果なんです。
ですから、お客様の声・従業員の声を「今」無視しているのだとしたら、将来の不振は免れません。(ちょっと厳しいことを申し上げましたが、これは経営陣の方には考えていただきたい。今、改革すれば、まだ間に合うからです。)
プロジェクトはタイミングも重要視されます。
短期間に目に見える成果がないと求心力が弱まるので
ここをどのタイミングでどうカタチにしていくのかというのが
コンサルタントの力の見せどころなんですが・・・。
色々な切り口からプロジェクトに関わってきて
これは時間がかかるなぁと思うケースがあります。
それは、招集された女性たちがすっかり組織に染まりきっていること。
わかりやすく言うと「おやじ化」しているケースです。
長年培われた会社の風土だったり
その中での仕事の与えられ方だったり
女性に対する(暗黙の)評価の基準だったり
そんな中で「優秀である」と評価されて選抜される女性の中には
すっかり思考回路が“男性脳化”“組織脳化”していて
女性ならではの感性や生活体験からくる瑞々しい発想ができない人が
多いのです。
それもそのはず今までどちらかというとそういう発想は
組織の中では否定され、価値がないと評価されてきたのですから…。
彼女たちは、一生懸命、会社の期待に応えようと
女性ならではの感性を封印し、男性と同じように思考する努力を
してきたんですね・・・。
そういうメンバーがプロジェクトの大半を占めるとまず
自分が女性であるということを自覚してもらいます。
自分の感性、感覚を肯定し、
自分の心の変化、周りの女性の心の変化に敏感になることから
徐々にわたくしは、はじめてもらいます。
「女性向けの商品を企画するとき、企画をする女性本人が
笑顔でないと、お客様を笑顔にする商品なんかつくれない」
とわたくしは思います。
自分が楽しめば、良いサービスも生まれるんです。
逆に上司の顔色や、会社の都合や、これまでの慣習を気にしていては
いい発想なんてできないんです。
そして、上司の役割は「そんなこと気にしなくていい」と口で言うだけでなく
本当にそういう環境をつくり、道をつくってやることです。
そして、間違ってはいけないのが
発想は「女性目線」だけれども、それをカタチにしていくのは
男性脳的なシステム化発想だったり
組織を動かす力だったりするということです。
そんなことをちょっと考えた朝でした。