テレビなどでホスピタリティという言葉を耳にしたことはありませんか?
「心からのおもてなし」こそホスピタリティです。
ホスピタリティを実践するのは、そう簡単なことではありません。
まずはホスピタリティを実践するレベルになれるまでのステップから知っていきましょう。
ホスピタリティマーケティングとは?
わたくしが考えるホスピタリティマーケティングの原点は、
「お客さま一人ひとりを大切に想い、お客さまにもっと喜んでいただきたい」
「お客さまに感動をご提供できるようになりたい」と考え、自らおもてなしをすることです。
人の手による心のこもったおもてなしは、その人がさまざまなアイデアを考え、
心を込め続けている限り枯渇することはないのです。
商品は良いのに、思うように売り上げが上がらないと悩んでいる方はいま一度、
ホスピタリティ度を見直してみる必要があるかもしれません。
ロイヤルカスタマーを増やす
ロイヤルカスタマーという言葉をご存知でしょうか?
ロイヤルカスタマーとは、企業や商品、サービスに対して忠誠心の高い顧客のことを言います。
昔ながらのいい方で言うと「上顧客」「お得意さま」ということですね。
需要が低迷する昨今だからこそ、
継続して商品やサービスを購入してくれる忠誠心の高いお客様を増やしていくことが肝になってきます。
ロイヤルカスタマーを育てるためのプロセス
ロイヤルカスタマーを育てるためにはお客さまに「大きな満足」を感じてもらうことが必須です。
そのためには、お客さまとのさまざまなコミュニケーションの中から課題をみつけ、
きめ細やかな対応が必要となります。
□ステップ1:「コミュニケーション」
お客さまにとのコミュニケーションは、ロイヤルカスタマーを育てるための基本中の基本です。
前回のコラムで、
数年前に来店されたお客さまに対して
「○○さま、ようこそおいでいただきました」と名前を添えて挨拶することで、
「もう何年も来ていないのに名前を覚えてくれている」と
感動していただくことができるとお話ししましたが、
他にも褒め上手、聞き上手になることがお客さまとの距離を近づける大切なポイントです。
□ステップ2:「きめ細やかな対応」
ステップ1でお客さま一人一人大切に思い、お名前を添えたあいさつ、
さらには褒め上手、聞き上手になることでお客さまから要望を気軽に言っていただけるようになります。
せっかくお客さまから要望をいただいても、
その一つ一つに対応ができなければ満足してもらうことはできません。
例えば、あなたがシーフードレストランの従業員だったとします。
来店されたお客さまはご家族連れで
「この子は魚介類が苦手だから、この子の分には魚介類は入れないでほしい」
という要望を伝えられたとき、どのように対応しますか?
「うちの店はシーフードレストランなので魚介類が売り」だと考えて、
融通が利かない対応をしてしまっては失格です。
そのお客さまの魚介類が苦手になった背景はわかりませんが、
満足をしてもらうためにはきめ細やかな対応が必要です。
そこで「ではシェフと相談して何か別のお料理をご提供させていただきます」
と別のメニューを提案するのも一つでしょう。
そのように対応することで、お客さまはわがままを聞いてくれて、
メニューにないものをわざわざ作ってくれたという満足感が高まるはずです。
コミュニケーションを通して、お客さまが言いにくい小さなニーズも満たしてあげることができれば、
お客さまの満足度は確実に高まります。
コミュニケーションを通して、お客さまの要望に対してきめ細やかな対応ができることで初めて、
ホスピタリティを実践するレベルに達したと言えます。
□ステップ3:「心くばり」
ステップ2でホスピタリティを実践するレベルと言えますが、
さらにワンランク上のサービスを身につけましょう。
ステップ1・2は、マニュアル通りの対応が確実に実践できるようになるためのものです。
しかしそこに愛情やふれあい、お客さまの想像をはるかに超えたサービスが加わることで
「満足」の上をいく「感動」が生まれます。
マニュアル通りに完璧に実践したところで、感動を生むことはできません。
マニュアルを超えたサービスを提供して初めて感動が生まれるのです。
パーソナルなサービスがロイヤルカスタマーを生み出す
愛情や、ふれあいや、お客さまの想像をはるかに超えたサービスが加わることで
「満足」の上をいく「感動」が生まれると前述しましたが、
お客さまに対する愛情とはどのようなものかイメージが付きにくいかもしれません。
そこで実践していただきたいのが、「お客さまが自分の家族だったら」と考えて対応することです。
そうすると、自然となんとしてでもご要望を叶えてあげたいと感じるはずです。
お客さまの要望を、自分や自分の家族と置き換えて考えることでホスピタリティの高い対応ができるのです。
一人一人のお客さまに対してそのように考え、
パーソナルなサービスを提供することでロイヤルカスタマーは自然と増えていくはずです。