女性コンサルタントのブログ

㊱部下に話をしやすくさせる視線・身体の向きとは?

部下に、

「こまめに報告をしろ!」

と言ってもしてくれないんです・・・。

 

 

 

管理職研修では、よく聞くお悩みでもあります。

 

 

「風通しの良い組織を作りたい!」

とあなたも、そしてどんなリーダーでも思っているんですよね。

 

 

そのために、

「報告・連絡・相談」を奨励していることも良く聞きます。

 

しかしながら、

「何度言っても、全く何も言ってこない・・・」

「こっちからわざわざ聞かないと、ずーっとそのままで・・・」

と不満を漏らしていらっしゃることも良く聞く話です。

 

私は、そんなとき、こうやって問いかけるようにしています。

「あなたは、仕事中に部下が話しかけてきたとき、どこを向いていますか?」

と・・・・。

 

視線・身体の向きの違いだけで印象は変わります

 

日本航空時代に、A部長という方がいました。

海外でも仕事経験があるからなのか、非常にスマートな雰囲気で

振る舞いもどことなく洗練され、それは一目置かれる存在でした。

 

私は、違う部署にいたのですが、

書類の配布やちょっとした連絡など(3時のティータイムなどでも)

でA部長とはよく接点がありました。

 

 

いつ行っても忙しいA部長は、

ほとんどと言って良いほど、

いつもパソコンに向かっていました。

 

 

「A部長、いま少しだけよろしいでしょうか。。。」

 

恐る恐る伺ってみると、

A部長はまず、

「関さん、悪いね。あと3分待ってくれる?」

と一度、反応してくれます。

 

 

「あーっ。邪魔しちゃったかもな。。。」

と申し訳ないと思いつつ待っていると、

A部長は本当に3分くらいで一旦、作業を終え、

 

「関さん、お待たせしました!」

と言って顔を上げ、すっと立ち上がりこちらに向き直ります。

表情は、「笑顔」です。

 

こちらとしては。邪魔してしまった・・・。

とバツが悪く思っていたので、

その表情にホッとし癒されていたものでした。

 

 

こうした一連の動作が非常に自然であるからなのか、

A部長がスマートに見える原因の一つでもありました。

 

 

 

一流の人は、相手をきちんと見ることを意識しています。

 

友達同士でも一度実験をしてみるとすぐにわかります。

人に話しかける時に、その相手が目も向けず、よそ見をしていると

話すほうはだんだん口が重たくなります。

 

相手が無表情で、反応が返ってきにくい場合は、

なおさら話しにくくなります。

 

相手の関心や反応が得にくいと、自分も反応できなくなるのです。

 

これは、無意識の作用です。

 

人間の脳は、状況を無意識に観察し、

その印象が次の行動を判断する元になります。

 

人のちょっとした振る舞いの差も、

無意識の中では意味を持つのです。

 

これを「非言語コミュニケーション」と言い、

人間の判断への影響力は「言語コミュニケーション」より強いことが知られています。

 

 

 

相手の反応は、自分の印象・行動で決まります

 

人間がコミュニケーションを取る時には、常に相手の反応を求めています。

 

関心のない相手に話しかけるのは、苦痛に感じるようにできています。

人間が視線をやる場所や身体を傾ける方向は、

関心の行方を表すサインとなりますが、

自分の振る舞いに無頓着な人はそういうサインを示すことを

思いつきません。

 

知らないうちに、相手が話しにくい状況を作っていたり、

人に失礼なことをしていたりするのです。

 

 

 

部下に

「こまめに報告をしろ!」と言ってもしてくれない・・・。

と感じることが多ければ、

それは怠惰な部下のせいではなく、

 

 

「報告しにくい」

「話しづらい」

環境を作っている自分の視線や身体の向きのせいかもしれません。

 

 

 

ちなみに、先ほどのA部長は

短い話の時には、そのまま立って

時間のかかりそうな話の時には、椅子をすすめてくれます。

 

 

いかなる時であっても

常にこちらに目線を合わせて、

顔と身体を向けて話してくれました。

 

 

きちんと関心を持って聞いてくれている様子に

部下は話しやすさを感じ、

また、話すことでポイントが整理され、

伝えたいことは、ぎゅっと凝縮され、

時間もかからず、メリハリが効いたものでした。

 

 

相手に与える印象の差は、相手の反応や行動に作用します。

 

部下の反応や行動に及ぼす影響に差が出るのです。

 

 

そのせいか、A部長の周りには、いつも部下が来ていました。

 

振る舞いのちょっとした「差」は

コミュニケーションの質にも大きく関わるのです。

 

あなたの「視線・身体の向き」はいかがですか?