「あのスタッフは、返事もしない(無視をされた)」
「声が小さすぎて、覇気を感じられない」
「ボソボソと何を言っているのか聞き取れないし、暗くてヤダ・・・」
というお客様の声があがったということで、とあるマッサージ店のオーナーがご相談にお見えになりました。
実際に、本人に状況を聞いたところ、お客様に対して悪い感情は全く微塵にも思っておらず、
ただただびっくりして困惑している、ということでした。
もし、本人がお客様に対して全くそんな感情を持っていないのに、
誤解や印象を与えてしまっているのだとしたら、
これは本当にもったいないことです。
では、どうしてそんなクレームが入ってしまったのか・・・。
それは、そもそも「声が小さい」ことで起こってしまった誤解でした。
特に、返事に関して「無視された」という誤解を招くことは、極力避けなければいけません。
なぜなら、クレームになる主な原因は、「自分のことを無視した」「ないがしろにされた」
という感情に起因するものがほとんどだからです。
知らないことやできないことで失敗するならまだしも、
ただ「声が小さい」「声がお客様まで届かない」
ということだけで誤解を与えてしまうなんて、お互いにとっても不幸なことです。
接客をする中で、「誤解を招かないための工夫や努力」、
これこそがクレームの激減に直結すると言っても過言ではありません。
ただただ大きい声を張り上げろ、という必要はありませんが、
明るく、ハリのある声で、お客様の耳にしっかりと言葉を届けるという意識が必要ですね。
あなたは「声が小さい」という指摘を受けたことはありませんか?
直接、「あなたの声は小さいですね」と言われていないにしろ、
「え?今、なんて言ったの?」
と聞き直されることが度々あったり、
耳に手を当てる仕草をされたことが複数回あるならば、
あなたの声は、小さく聞き取れない可能性が高いです。
そのような指摘を受けたときは、
「私はちゃんと言いました(怒)」
「返事しました(泣)」
ではなく、
自分の声が相手に届いていないことに気づかせてもらった、
という前向きな解釈で指摘を受け止めてみてはいかがでしょう。
実は、指摘や指導は、「する人間」の方がエネルギーを使うものだからです。
だからこそ、お客様からのクレームになる前に未然に防げた!
事態が大きくなる前に気づけた!ということを感謝する気持ちを持ちたいものですね。
きっと、こういう指摘し合う職場は、人間関係も円滑でしょうし、
指摘された方も、受け止め方の違いからその後の成長スピードもグンと変わってくるものです。
わたくしもCA時代に、「そんなつもりは全くなかったのに・・・」という
コミュニケーションのズレを経験したこともあります。
自分自身の未熟さに腹が立ち、悔しい思いもしましたが、
接客もコミュニケーションも受け取った相手が感じたことが全てです。
相手のせいにしていても何も解決しないんですよね。
考えるべきは、「どうすれば、お客様にそのような勘違いや誤解を与えずに済むか」です。
声の大きさやトーンが、今の接客に対して適切なものであるのか、
返事をした「つもり」になっていないか、
誤解を招くような小さな声になっていないか、
今一度点検していきましょう。
接客もコミュニケーションも受け取った相手が感じたことが全て
接客の良し悪しを決めるのは、あなたではありません。
受け取ったお客様なのです。
新年度に向けて、新しい接客マナー講座を開催したいと考えています。
今、カリキュラムを作っている最中です。
ぜひ楽しみにしていてください!